2015年12月17日木曜日

Longrow (peated) ロングロウ / スプリングバンク蒸留所


Longrow
ロングロウ 
スプリングバンク蒸留所(キャンベルタウン)
700ml 46% 値段は5000円台半ば(2015年12月時点)


かつてのロングロウ CVの後継で商品名は「ロングロウ」とだけ。

キャンベルタウンのスプリングバンク蒸留所のセカンドラベルがこのロングロウです。
瓶もスプリングバンクと同じでラベルだけ違うみたいですね。

年数表記がないのは様々な熟成年数やカスクタイプをブレンドしたためです。


Nose:
Very creamy, vanilla custard. The smoke develops and toasted marshmallows, herbs and rich fruits appear over time.

Palate:
Incredibly well balanced – rich and creamy with a slight medicinal hint. The smoke is always present and washes over the palate in waves.

Finish:
The gentle smoke lingers and lingers.


香り:
すんげぇクリーミー、バニラカスタード、スモーキー。トーストした
マシュマロ。ハーブと熟した果実

味:
ヤバいくらいのバランス。リッチでクリーミー。かすかに薬品。常に口の中で波打つ煙

フィニッシュ:
穏やかなスモーキー



ピートのみで48時間乾燥させたフェノール値50〜55ppmの麦芽を使用しているのが特徴でしょうか。
50~55ppmはアードベッグやラフロイグに近い値でもあり、かなりスモーキーですがアイラのものとはまた違う趣ですね。(ちなみにスプリングバンクは8ppmで同蒸留所のヘーゼルバーンはノンピート)
アイラ系のピーティーさは鈍器でがつーーんとやられる感じですが、こちらは拳ですぱーーーんとやられる感じです。
香り、味、共にまずスモーキーさが瞬間的にでてくるのですが、すぐ引っ込みます。とおもったらまた出てきます。なかなか面白い。


スプリングバンク特有の潮の香りもどっしりと健在。スプリングバンクが「しょっぱい」とするなら、こっちはやや「塩辛い」というイメージ。
スプリングバンクは“モルトの香水”といわれているように、繊細かつ濃厚で複雑な味わいですが、それにくらべるとこちらはややワイルドな印象。スプリングバンクは同時に多くの要素が調和していますが、こちらロングロウは味が次々に移り変わっていく様子が面白いです。
スプリングバンクが甘く華やかで、女性的といわれる一方、こちらは甘さは少なく、ピートのインパクト、スモーキーさが漢らしいといわれる所以でしょうか。
しかし大味になる一歩手前でとどまっていて強くも洗練された味です。

スプリングバンクとアードベッグをこよなく愛する私ですが、スプリングバンクのヘビーピートとか絶対美味いじゃん!と思って買ってみたわけですが、やや器用貧乏な印象を持ったような持たないような…。世の中にはきっと強烈なスモーキーさと同時に、甘く繊細でふくよかな味を両立し完璧な調和を保つウイスキーもあると思うのですが、いまだ出会えていません。
もちろんこのロングロウも高い次元でその二つを両立しているとは思うんですがね。
しかし、このロングロウを飲んだ後に、ふくゆかなスプリングバンクを飲むと私は思うのです。
やっぱりスプリングバンク美味い…と。
そしてそのあとにとびきりスモーキーなアードベッグを飲むと私は思うのです。
やっぱりアードベッグは美味い…と。