2014年9月6日土曜日

光遠 KoOnN Japanese Spirits



光遠 (こうおん) Japanese Spirits
45度 750mm



ジンじゃないけど。


鹿児島の本坊酒造から発売された“ジャパニーズスピリッツ”
ウイスキーやらワインやら作るアグレッシブな酒蔵から世界をターゲットにした本商品。



本家サイト(http://www.hombo.co.jp/item/liqueur_spirits/ko-on/にある説明は




世界中で造られている酒類の多くは酵母で醸造されていますが、日本では伝統的に「麹」を使った酒造りが行われてきました。麹菌で主原料のでん粉を糖分に変え、そこに酵母を加える醸造法で、日本酒、焼酎など日本の風土を醸す国酒は造られてきました。 

日本の酒造りの伝統「麹」と「蒸留技術」でジャパニーズ・スピリッツ「光遠」は造られています。「白麹」を使った原酒に「ゆず」や「緑茶」など、和のボタニカル(植物)を加え、再留する事で、鮮烈な香りと新しい味わいを生み出しました。 


と、よくわかりません。興味はあるもののまったく味のイメージがわかりません。
Google先生に聞いてみても、飲んだ人のレポはほとんどなく、あっても「おいしかった」ぐらいのもんで、やはり味は未知数。

行きつけの酒屋にあるのを知り、店主に「これ、どうなんですかね?」と聞くと、
「まぁ焼酎みたいなもんですよ。おもしろいとは思いますよ」と苦笑い。
微妙なその反応に買おうかどうか迷ったけど、貴重なネタの一つとして、そして挑戦的な商品開発への応援も込めて購入。
本家サイトの定価は3888円。
ネットの実勢は3600円程度が相場でしょうか。(自分は3000円弱で購入できた!)




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【Impression】
ジン好きの目線から。


グラスを鼻に近づけて感じるのは、香りがまさにジンのそれに近いということ。
アルコールのスーとする感覚にのっかるのはよくわからん草っぽさボタニカル感と柑橘の香り。
お!?と思い口に流し込みます。

まずわかるのは柑橘の風味。
蜜柑の甘酸っぱさ、そしてグレープフルーツの苦味、、どこかで味わったことがあるような…と思っていたら柚子なのね。いわれてみれば柚子ジャム、マーマレードジャムの香り。

説明にあった「緑茶」の味はあまりわかりません
たぶんビーフィーター24とかボンベイサファイアイーストのほうが茶っぽさは目立つかと思います。
しかしこの緑茶がやや主体的な柑橘の味の背後にある複雑さに、一役買っているのでしょうか。
本家サイトに記されている原材料名は「本格焼酎(芋焼酎)・柚子・緑茶・生姜」。
ジンにくらべればいたくシンプルなボタニカルの種類ではありますが、それでいて味が薄っぺらくないのは優秀なレシピと、そして本格焼酎を使用しているからでしょう

口の中で柑橘の香りがやわらぐと同時に、わりとはっきりと芋の味が後味となって口にひろがります。
ゆずの余韻も長く、芋の香りと交わってまた味が変化していきます。
最後は柑橘の甘みがきえて、すっきりとした苦味が強調されます。個人的には夏ミカンやグレープフルーツのような柑橘の苦味は大好きなので、この後味はとても好きです。最後に口に残るのは苦味と、スピリッツ特有のアルコールのピリリとした刺激。ハードリカー好きにはなかなかたまらないものです。

ジャパニーズスピリッツと銘打たれたこの光遠は、ウォッカでもなくラムでもなくテキーラでもなくそしてジンでもありません。
個人的にはフレーバード・焼酎という認識になりました。
これにわずかでもジュニパーベリーをいれれば「ジン」として成立するわけですが、そうしなかったのには酒蔵のポリシーを感じますね。
まったく新しい“ジャパニーズ・スピリッツ”を目指したのでしょう。

不満をあげるとするなら、そのチャレンジにあふれた精神の割にはわりと大人しくまとまった味で、フレーバード焼酎という範疇から抜け出せていない感じでしょうか。全体的に柚子の柑橘の味が終始支配的だったので、そういう印象をもったのかもしれません。
自分としましては強烈な瓶のデザインにふさわしい、もっと強烈でまったく新しい味、スピリッツのエポックメイキングを期待していました。
(といってもフレーバード焼酎の時点ですでに革新的ではあるとおもいます…。高望みしすぎですね)

しかし味はとても良く、洗練されていて上質な酒だと感じました。
4000円弱という値段をどう見るかは、なかなか難しい問題で、焼酎としては少々コスパが悪く、ジン(プレミアムジン)としてみると妥当か、ややそれ以下か、という印象です。
しかしまったく新しいニュータイプなスピリッツという点を加味すると、買っても損はないかもしれません。
新しい物好きな人にはかなりお勧め。








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瓶のデザインが特徴的でラベルはボトルネックに小さくありそこに「光遠」の文字とバーコードやら注意書きやらが書いてあります。
そして本体には透明な瓶にユニークなシンボルだけが大きくデザインされています。
紙箱の方には

「桜島の躍動するエネルギー×熱き魂を内包した洋酒グラス」をそのままストレートにビジュアル化しました。触手のようにうねるエネルギーを酒造りにかける情熱に見立て、そこに「光遠」がある。
今こそ芋焼酎発祥の地から世界へ創造力あふれるスピリッツを発信していきます


などと意味不明な供述をしており…。
いい意味でも悪い意味でもアーティスティックですね、
まぁこういう攻めた姿勢は好きです。
嫌いじゃないんだけどなんとも形容しがたいデザインのロゴは、けっこう目を引きます。
ちなみに、紙箱のほうは銀地でそれなりにかっこいいですね。



長年にわたり芋焼酎をつくりつづけてきた酒造メーカーのプライドとともに世界へ送り出すこの商品。
海外の反応はどうなんでしょうね。気になるところです。